不安障害の改善に漢方薬は有効?効果的な選び方と種類

不安障害の改善に漢方薬は有効?効果的な選び方と種類

心の平穏を保つことは、現代社会を生きる上で多くの人が願うことですが、理由もなく募る不安感や、些細なことで生じるイライラ、夜ぐっすり眠れないといった症状は、生活の質を大きく損ないます。
こうした心身の不調に対し、古来から受け継がれてきた東洋医学、とくに漢方薬が注目されています。
穏やかな作用で体質の根本改善を目指しながら、つらい症状の緩和に働きかける可能性が期待されているのです。
ここでは、不安障害への漢方薬の働きと効果、ご自身に合った一服を見つけるためのポイントについて解説します。

 

漢方の不安障害への効果

 

漢方が不安障害にアプローチする仕組み

 

漢方では、心身の不調は「気・血・水」のバランスの乱れや、「臓腑」と呼ばれる器官系の機能低下によって起こると考えます。
不安障害は、とくに「気」の滞り(気滞)や不足(気虚)、「血」の不足(血虚)や滞り(瘀血)、「肝」「心」「脾」の働きの乱れと深く関係しているとされます。
気の巡りが悪いとイライラや焦燥感が出やすく、血が不足すると不安感や不眠、動悸が起こると考えられます。
漢方薬は、こうしたバランスの乱れを整え、臓腑の働きを助けることで、自律神経の調整やストレスへの抵抗力の向上を図り、精神的な安定を目指します。
複数の生薬が組み合わさることで、体質そのものに働きかけ、症状の根本改善を目指すのが特徴です。

 

不安感・イライラ・不眠に効果的な漢方薬の種類

 

不安感やイライラ、不眠に対しては、それぞれの体質や症状に応じた漢方薬が使われます。
体力が比較的あり、ストレスからくるイライラや気分の落ち込み、肩こりなどがある場合は、気の巡りを良くし血を補う「加味逍遙散(かみしょうようさん)」が用いられることがあります。
神経が高ぶって眠れない、怒りっぽい、落ち着きがないといった場合には、興奮を鎮める「抑肝散(よくかんさん)」が選ばれることがあります。
体力がなく、疲労感が強い、不眠や多夢、動悸などを伴う場合には、精神を落ち着かせ睡眠を助ける「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」が適しているケースがあります。
また、気滞による胸のつかえ感や動悸、不安感、めまいには、「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」が処方されることもあり、これらは体質と症状に応じて使い分けられます。

 

 

不安障害に効く漢方薬の選び方は

 

体質・症状に合わせた漢方薬の見つけ方

 

漢方薬選びで最も大切なのは、「証(しょう)」と呼ばれる体質や状態を見極めることです。
単に病名だけでなく、脈や舌の状態、お腹の張り、冷えやほてり、食欲や消化の具合、便通、気分の波などを総合的に評価して判断します。
体力があり、顔が赤らみ、のぼせやすくイライラしがちな人は「実証」に近く、体力が乏しく顔色が青白い、冷えやすい人は「虚証」に近いとされます。
体質に合わない漢方薬を服用すると、効果が乏しいだけでなく、かえって不調を招くこともあるため注意が必要です。

 

漢方薬を選ぶ際の注意点

 

漢方薬は、即効性よりも体質改善を目的とするため、効果の実感まで時間がかかることがあります。
また医薬品である以上、副作用がまったくないわけではなく、胃腸障害やアレルギー反応などが出る場合もあります。
服用中に気になる体調の変化があれば、すぐに中止して、漢方専門薬局や漢方専門家に相談してください。
他の薬やサプリメントとの飲み合わせで、効果や副作用が変化することもあるため、自己判断での併用は避けることが大切です。
漢方薬を始める際は、必ず漢方に詳しい医師や薬剤師に相談し、ご自身の体質や症状に合った処方を選んでもらうようにしましょう。

 

まとめ

 

不安障害による不安感やイライラ、不眠に対して、漢方薬は全身のバランスを整え、根本的な改善を目指すアプローチとして有力な選択肢となり得ます。
加味逍遙散、抑肝散、酸棗仁湯、半夏厚朴湯などは、それぞれの特性を生かして多様な症状に対応します。
ただし、効果を引き出すためには、自分の体質や状態を正しく把握し、専門家の指導のもとで適切な処方を選ぶことが重要です。
焦らず自分のペースで、心身の調和を取り戻す一助として、漢方薬の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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