夜中に何度も目が覚めてしまう、日中もトイレが近いなど、頻尿や夜間頻尿のお悩みは、日常生活に静かに影を落とすことがあります。
こうした悩みを抱える方の中には、体の内側から穏やかに働きかける方法として、漢方薬に関心を寄せられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
漢方薬は、古くから伝わる知恵に基づき、体の調子を整えることで、つらい症状の緩和を目指します。
今回は、頻尿や夜間頻尿と漢方薬の関わり、そして代表的な漢方薬について掘り下げていきます。
頻尿や夜間頻尿と漢方薬はどう関わる
頻尿や夜間頻尿は、多くの方が経験する可能性のある症状です。
これらの症状に対し、漢方薬は体の根本的なバランスを整えることでアプローチするという特徴があります。
西洋医学的なアプローチとは異なり、漢方では体の内側から調和を取り戻し、本来持っている自然治癒力を引き出すことを目指します。
漢方が体の機能を整える仕組み
漢方薬は、植物などの天然物から作られた生薬を複数組み合わせることで、それぞれの生薬の持つ薬効を相乗的に発揮させます。
これにより、体の「気」「血」「水」といった生命エネルギーのバランスを整え、滞りがあれば巡りを良くし、不足していれば補うことで、全身の機能を調和させます。
具体的には、体の血行を促進したり、代謝を活発にしたり、水分バランスを整えたりするなど、多角的に体の機能をサポートします。
腎虚が頻尿や夜間頻尿を引き起こす
漢方医学において、頻尿や夜間頻尿といった排尿に関するトラブルは、「腎(じん)」の機能低下、「腎虚(じんきょ)」が原因の一つと考えられています。
ここでいう「腎」は、現代医学でいう腎臓だけでなく、泌尿器系や生殖器系、さらには成長や老化、ホルモンバランスなども含めた広い概念です。
加齢などによりこの「腎」の機能が低下すると、膀胱の伸縮性が失われたり、尿道を締める筋肉が緩んだりして、尿を溜めたり出したりする機能がうまく働かなくなり、結果として頻尿や夜間頻尿、残尿感などの症状が現れるとされています。

頻尿や夜間頻尿に効く代表的な漢方薬
頻尿や夜間頻尿の改善に用いられる漢方薬はいくつかありますが、その中でも代表的なものの一つに「八味地黄丸(はちみじおうがん)」があります。
この漢方薬は、古くから伝わる経験に基づき、特に加齢に伴う体の機能低下や、それに起因する尿トラブルに対して用いられてきました。
八味地黄丸の効果と特徴
八味地黄丸は、名前の通り8種類の生薬から構成されています。
主な働きとしては、体の機能を高め、特に「腎」の働きを助け、全身を温めることで、冷えや衰えを改善することを目指します。
これにより、水分代謝を整え、血行を促進し、新陳代謝を活発にする効果が期待できます。
その結果、頻尿や夜間頻尿、残尿感、軽い尿漏れといった尿トラブルの緩和に役立つとされています。
さらに、年齢とともに現れやすい目のかすみや腰痛、体のしびれといった症状の改善にも用いられることがあります。
八味地黄丸が適する人
八味地黄丸は、特に以下のような体質や症状を持つ方におすすめされることがあります。
例えば、疲れやすく、手足が冷えやすい方、口が渇きやすい方、そして尿の量が不安定に感じられる方などです。
加齢による体の衰えや機能低下を感じており、それに伴って頻尿などの尿トラブルが現れている場合に、その改善をサポートする可能性が考えられます。
まとめ
頻尿や夜間頻尿といったお悩みに対し、漢方薬は体の内側からバランスを整えるアプローチで応えます。
特に、加齢などに伴う「腎虚」が原因で生じるとされるこれらの症状には、八味地黄丸のような漢方薬が有効な場合があります。
八味地黄丸は、8つの生薬の力で体の機能を高め、血行や代謝を促進することで、尿トラブルの改善を目指します。
疲れやすい、体が冷えるといった自覚がある方にも適応が考えられます。
ご自身の体質や症状に合った漢方薬を選ぶこと、そして継続して使用することが大切です。