漢方の煎じ薬とは|エキス剤との違いと、煎じ方の基本

店頭で、こんなふうに聞かれることがあります。

「煎じ薬って、鍋で煮出すやつですよね。正直、続けられる自信がないんですが……」

この質問をいただくたび、まずは剤型の話からご説明しています。煎じ薬がどういうもので、顆粒や錠剤と何が違うのか。そこが分かると、ご自身に向いているかどうかの見当がつきやすくなるからです。今日はその話を書きます。

煎じ薬とは、生薬をそのまま煮出したもの

煎じ薬は、刻んだ生薬(しょうやく)をそのまま水で煮出し、その液を飲む剤型です。漢方薬の形としては最も古く、古典に記された処方も、もともとはこの形で用いられてきました。

薬局やドラッグストアで見かける顆粒のエキス剤は、この煎じ液を工場でつくり、水分を飛ばして粉状にしたものです。順序としては、煎じ薬が先にあり、エキス剤が後からできた剤型ということになります。

エキス剤との違い

煎じ薬 エキス剤(顆粒・錠剤)
刻んだ生薬 顆粒・粉末・錠剤
準備 毎日30〜40分煮出す 袋を開けて飲むだけ
生薬の分量 お一人ずつ加減できる 決められた配合で固定
香り 煮出すときに立ちのぼる ほとんどない
持ち運び 向かない 容易

いちばん大きな違いは、生薬の分量を加減できるかどうかです。エキス剤は配合があらかじめ決まっているため、増減はできません。煎じ薬であれば、お話を伺ったうえで、生薬の分量を調整して調剤することができます。

一方で、毎日の手間は確実にかかります。ここは正直にお伝えするようにしています。

煎じ方の基本

  1. 土瓶、耐熱ガラス、または煎じ薬用のやかんに、1日分の生薬を入れます。鉄や銅の器具は避けてください。
  2. 水を約600mL注ぎ、火にかけます。
  3. 沸騰したら弱火にし、ふたを少しずらして30〜40分、液が半量(約300mL)になるまで煮出します。
  4. 火を止め、茶こしなどで生薬をこします。
  5. 1日2〜3回に分け、食前または食間に、温かい状態で飲みます。

煎じた液は冷蔵庫で保管し、その日のうちに飲み切ってください。飲むときに温め直します。

電気煎じ器という選択肢

火加減も時間も自動で管理してくれる、電気煎じ器という道具があります。水と生薬を入れてスイッチを押せば、あとは待つだけです。「毎日、鍋の前に立つのは難しい」という方には、こうした道具を使う方法もあります。選び方が分からなければ、店頭でお尋ねください。

よくいただくご質問

味はどうですか

処方によってまったく違います。甘みが立つもの、苦みの強いもの、酸味を感じるもの。正直なところ、飲みやすいとは言いにくい処方もあります。少し冷ましてから飲む、飲んだあとに白湯を含む、といった工夫で続けやすくなる方が多いです。

どのくらい続けるものですか

一概には言えません。数日で区切りがつくものもあれば、数か月かけて様子を見ていくものもあります。当店では3日分・5日分といった短い単位からご用意していますので、まずは試していただき、そのうえで判断していただくことができます。

いま飲んでいる薬があります

必ずお知らせください。飲み合わせを確認します。お薬手帳をお持ちいただけると、より確実にご案内できます。

当店の煎じ薬について

ときわ漢方薬局では、26種類の煎じ薬をオンラインでもお求めいただけます。3日分・5日分から、10日分・20日分まで日数を選べるようにしていますので、短い単位から始めていただくこともできます。

ただし、どの処方がご自身に合うかは、体質や今の状態によって変わります。お一人ずつ、しっかりお時間をいただいて伺う——それが私たちのやり方です。迷われている場合は、お求めになる前にご相談ください。

ご相談は店頭またはお電話で承ります。30年以上、体質を見つめてきた薬剤師がお話を伺います。

掲載している煎じ薬は第2類医薬品です。使用上の注意をよくお読みのうえ、用法・用量を守ってお使いください。ご不明な点は薬剤師にご相談ください。


ときわ漢方薬局
神奈川県藤沢市鵠沼石上1-8-1 安斉第一ビル1F
TEL: 0466-22-5514
営業時間:10:00〜19:00(日曜祝日・第1/3水曜定休)

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