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田七人参とは|雲南省の高地で育つ希少な素材

「金不換王(きんぷかんおう)」というお名前から、よくお客様にこんなご質問をいただきます。「金不換って、どういう意味なんですか?」と。 このお名前の由来は、中国の伝統医学のなかで、田七人参という素材が古くから「金不換(きんぷかん)」——つまり「金にも換えがたい」と呼ばれてきたところにあります。 今日は、その「田七人参(でんしちにんじん)」という素材について、産地のこと、歴史のこと、当店が長くお取り扱いしている理由をお話ししたいと思います。 ORIGIN 雲南省・広西チワン族自治区 NICKNAME 金不換 ——「金にも換えがたい」 CULTIVATION 3〜7年 — 種から収穫まで 雲南の高地で育つ植物 田七人参は、ウコギ科に属する多年草の植物で、私たちが「人参」と聞いて思い浮かべるオタネニンジン(朝鮮人参)と同じ仲間にあたります。中国南部、雲南省(うんなんしょう)や広西チワン族自治区の、標高1,200〜1,800mほどの山岳地帯が主な産地です。 雲南省は、中国の南西部に位置し、四方を山に囲まれ、夏は涼しく、冬は霜が降りないという、独特の気候を持つ地域です。北はヒマラヤ山脈の南端から続く高地、南はベトナム・ミャンマー・ラオスとの国境地帯まで、地形と気候が複雑に入り組んでいます。土壌は赤土を主体とした、水はけのよいやせ地。こうした厳しい環境のなかで、田七人参はゆっくりと根を張りながら育ちます。 種をまいてから収穫まで、最低でも3年。質のよい根を得るには、5年から7年の歳月が必要だとされてきました。これは農作物としては、きわめて長い時間です。畑の手入れも丁寧に続けていく必要があり、収穫までの間、農家の方は文字通り、毎日その土地と向き合うことになります。 「三七」「金不換」と呼ばれてきた理由 田七人参という名前は、中国語では「三七(さんしち)」と書かれることもあります。これは、「種をまいて3年で葉をつけ、7年で根が完成する」という説や、「茎が三本に分かれ、その先に七枚の葉をつける」という姿に由来するという説があります。 また、中国の伝統医学のなかでは「金不換」と呼ばれてきました。「金にも換えがたい」——つまり、金と引き換えにしてでも手放したくないほど大切な素材、という意味です。 16世紀、明の時代に編まれた『本草綱目(ほんぞうこうもく)』——李時珍(りじちん)が著した、東アジアの伝統的な本草書の集大成——にも、田七人参の記述が見られます。日本では江戸時代の知識人にも読まれた、伝統的な書物のひとつです。 「等級」という見方 田七人参を見極めるときに使われるのが、「頭(とう)」という単位での等級分けです。 これは、500g(一斤)あたりに何個の根が含まれるかを数えるもので、20頭であれば「500gで20個」、80頭であれば「500gで80個」となります。数が少ないほど、一つひとつの根が大きく、長く育ったということ。同じ重さに到達するのに、より少ない数の根しか必要としない、というだけのことなのですが、栽培の年月と、その間の土壌・気候の条件を考えると、20頭の田七人参と120頭の田七人参とでは、まったく別の希少性を持つことになります。 一般的には、20頭・30頭が最高等級、40頭・60頭が良品、80頭・120頭が標準品とされ、市場でも価格が大きく変わります。20頭クラスはきわめて希少で、流通量も多くありません。 収穫の時期で違うこと 田七人参の収穫には、「春七(しゅんしち)」と「冬七(とうしち)」があります。 春七:花を咲かせる前、春先に掘り上げたもの。栄養が根に十分に蓄えられ、形も丸く整っているとされる。 冬七:花が咲いた後、冬に掘り上げたもの。種に栄養がいくため、根そのものはやや痩せているとされる。 同じ田七人参でも、春七のほうが品質が高いと評価されてきました。 主な成分について...

田七人参とは|雲南省の高地で育つ希少な素材

「金不換王(きんぷかんおう)」というお名前から、よくお客様にこんなご質問をいただきます。「金不換って、どういう意味なんですか?」と。 このお名前の由来は、中国の伝統医学のなかで、田七人参という素材が古くから「金不換(きんぷかん)」——つまり「金にも換えがたい」と呼ばれてきたところにあります。 今日は、その「田七人参(でんしちにんじん)」という素材について、産地のこと、歴史のこと、当店が長くお取り扱いしている理由をお話ししたいと思います。 ORIGIN 雲南省・広西チワン族自治区 NICKNAME 金不換 ——「金にも換えがたい」 CULTIVATION 3〜7年 — 種から収穫まで 雲南の高地で育つ植物 田七人参は、ウコギ科に属する多年草の植物で、私たちが「人参」と聞いて思い浮かべるオタネニンジン(朝鮮人参)と同じ仲間にあたります。中国南部、雲南省(うんなんしょう)や広西チワン族自治区の、標高1,200〜1,800mほどの山岳地帯が主な産地です。 雲南省は、中国の南西部に位置し、四方を山に囲まれ、夏は涼しく、冬は霜が降りないという、独特の気候を持つ地域です。北はヒマラヤ山脈の南端から続く高地、南はベトナム・ミャンマー・ラオスとの国境地帯まで、地形と気候が複雑に入り組んでいます。土壌は赤土を主体とした、水はけのよいやせ地。こうした厳しい環境のなかで、田七人参はゆっくりと根を張りながら育ちます。 種をまいてから収穫まで、最低でも3年。質のよい根を得るには、5年から7年の歳月が必要だとされてきました。これは農作物としては、きわめて長い時間です。畑の手入れも丁寧に続けていく必要があり、収穫までの間、農家の方は文字通り、毎日その土地と向き合うことになります。 「三七」「金不換」と呼ばれてきた理由 田七人参という名前は、中国語では「三七(さんしち)」と書かれることもあります。これは、「種をまいて3年で葉をつけ、7年で根が完成する」という説や、「茎が三本に分かれ、その先に七枚の葉をつける」という姿に由来するという説があります。 また、中国の伝統医学のなかでは「金不換」と呼ばれてきました。「金にも換えがたい」——つまり、金と引き換えにしてでも手放したくないほど大切な素材、という意味です。 16世紀、明の時代に編まれた『本草綱目(ほんぞうこうもく)』——李時珍(りじちん)が著した、東アジアの伝統的な本草書の集大成——にも、田七人参の記述が見られます。日本では江戸時代の知識人にも読まれた、伝統的な書物のひとつです。 「等級」という見方 田七人参を見極めるときに使われるのが、「頭(とう)」という単位での等級分けです。 これは、500g(一斤)あたりに何個の根が含まれるかを数えるもので、20頭であれば「500gで20個」、80頭であれば「500gで80個」となります。数が少ないほど、一つひとつの根が大きく、長く育ったということ。同じ重さに到達するのに、より少ない数の根しか必要としない、というだけのことなのですが、栽培の年月と、その間の土壌・気候の条件を考えると、20頭の田七人参と120頭の田七人参とでは、まったく別の希少性を持つことになります。 一般的には、20頭・30頭が最高等級、40頭・60頭が良品、80頭・120頭が標準品とされ、市場でも価格が大きく変わります。20頭クラスはきわめて希少で、流通量も多くありません。 収穫の時期で違うこと 田七人参の収穫には、「春七(しゅんしち)」と「冬七(とうしち)」があります。 春七:花を咲かせる前、春先に掘り上げたもの。栄養が根に十分に蓄えられ、形も丸く整っているとされる。 冬七:花が咲いた後、冬に掘り上げたもの。種に栄養がいくため、根そのものはやや痩せているとされる。 同じ田七人参でも、春七のほうが品質が高いと評価されてきました。 主な成分について...